「プロトコル」と「アルゴリズム」。
ITの用語としてよく見かけるけど、似たような響きでちょっとややこしいですよね。
どちらも“ルール”とか“手順”みたいに説明されることが多いので、「何が違うの?」と思ったことありませんか。
でも実は、この2つは使われる場面がまったく違うんです。
プロトコルは「通信ややり取りのルール」。
アルゴリズムは「処理や計算の手順」。
ざっくり言えば、
プロトコル=“どうやって相手と話すか”
アルゴリズム=“どうやって問題を解くか”
という感じ。
どちらも“ルール”ではあるけれど、前者は会話のマナー、後者は考え方の道筋といったところでしょうか。
この違いを知っておくと、「専門用語が多くて難しい」と感じがちなITの仕組みも、ひとつずつ整理して理解できるようになります。
ではまず、2つの違いをざっくり整理してみましょう。
プロトコルとアルゴリズムの違いをざっくり解説
「プロトコル」と「アルゴリズム」は、どちらも“ルール”を決める仕組みですが、実際にはまったく別の場面で使われています。
ITパスポートの勉強をしていると、どちらも同じように「決まり」「手順」という説明が出てきて、混乱しやすいところなんですよね。
ざっくり言うと、
プロトコルは“どうやって通信するかのルール”、
アルゴリズムは“どうやって問題を解くかの手順”。
たとえば、メールを送るときには「データをどうやって届けるか」の約束が必要です。
このやり取りのルールを決めているのがプロトコル。
一方で、「迷惑メールをどう見分けるか」や「画像をどう圧縮するか」といった“中での処理”を考えるのがアルゴリズム、というわけです。
🔲 ここまでのまとめ
- プロトコル=通信の約束(相手と正しく話すためのルール)
- アルゴリズム=処理の手順(問題を解くための考え方)
- どちらも“ルール”だが、役割や目的が違う
次は、この2つがどんな場面で一緒に使われているのか、具体例を見てみましょう。
プロトコルとは?通信の“約束ごと”を決めるルール
プロトコルとは、コンピュータ同士が正しくやり取りするための通信ルールのことです。
人間でいえば「会話のマナー」にあたります。
たとえば、会話をするときに「相手が話し終わってから話す」とか「言葉の意味を共有する」など、決まりごとがあるからスムーズに会話できますよね。
コンピュータの世界でも同じで、「どんな順番で送るか」「どういう形式でデータをやり取りするか」を決めておかないと、通信が成立しないんです。
たとえば、Webページを見るときに使われる HTTP(エイチ・ティー・ティー・ピー) というプロトコル。
これは「Webブラウザ(クライアント)」と「Webサーバー」が、どんな手順でページのデータを送受信するかを定めたルールです。
もしこのルールがなければ、ブラウザはサーバーに「このページちょうだい」と伝えることすらできません。
また、メールの送受信では SMTP や POP3 といった別のプロトコルが使われます。
ちなみに、これらの略称の最後にある「P」は Protocol(プロトコル) の「P」。
つまり「HTTP」も「SMTP」も「POP3」も、どれも“〇〇プロトコル”という通信ルールの名前なんです。
どんな種類の通信でも、“相手と正しく話すためのルール”がプロトコルなんですよ。
ちなみに、安全に通信するための暗号化アルゴリズム(AESやRSAなど)のように、プロトコルの中では“計算の仕組み”が一緒に使われることもあります。
その「考え方の手順」が、次に出てくるアルゴリズムなんです。
🔲 ここまでのまとめ
- プロトコル=通信の約束ごと
- 「どんな順番で」「どんな形式で」データをやり取りするかを決めている
- HTTP、SMTP、FTPなど、目的ごとにさまざまなプロトコルがある
次は、もう一方の「アルゴリズム」について見ていきましょう。
こちらは通信ではなく、コンピュータが“考えるときの手順”を決める仕組みなんです。
アルゴリズムとは?処理の流れを決める“考え方の手順”
アルゴリズムとは、コンピュータが問題を解いたり、処理を進めたりするための“手順”のことです。
人間でいえば、「どう考えて行動するか」という考え方の筋道にあたります。
たとえば、朝の準備を思い浮かべてみてください。
「起きる → 顔を洗う → 朝ごはんを食べる → 家を出る」といった流れがありますよね。
これをそのままコンピュータの世界に置き換えたのがアルゴリズムです。
つまり、「何を、どんな順番でやるか」を決めてる仕組みなんです。
もう少し身近な例で言うと――
💡 アルゴリズム=手順の考え方を身近に例えると?
NHKの教育番組で出てきた「アルゴリズム体操」では、「前へならえ」「手を横に」など決められた順番で動作を行う体操が登場します。
これと同じように、定めた手順を順番通りに実行して目的を達成する――それがアルゴリズムの基本なんです。
たとえば検索エンジンなら、「入力された言葉に関連する情報をどう探して、どんな順で表示するか」。
地図アプリなら、「目的地までの最短ルートをどう計算するか」。
こうした“考え方の流れ”を決めているのがアルゴリズムなんですよ。
ちなみに、実際のプログラムでは「並び替えのためのソートアルゴリズム」や「安全な通信のための暗号化アルゴリズム(AESやRSAなど)」といった形で使われています。
難しく考えなくてOKですが、どんな処理にも“考え方の手順”があるんだ、というくらいで十分。
🔲 ここまでのまとめ
- アルゴリズム=処理や計算の手順
- コンピュータが「何を」「どんな順番で」実行するかを決めている
- 検索エンジンや地図アプリ、暗号化など、あらゆる場面に使われている
アルゴリズムは、コンピュータの“頭脳”のようなもの。
この仕組みがあるからこそ、複雑な処理も正しい順番で進められるんです。
次は、ここまで学んだ「プロトコル」と「アルゴリズム」がどう違うのか、もう一度整理してみましょう。
プロトコルとアルゴリズムの違いを整理してまとめ
ここまで見てきたように、プロトコルとアルゴリズムはどちらも“ルール”や“手順”を扱いますが、役割はまったく違います。
ざっくり言えば、プロトコルは「通信のルール」、アルゴリズムは「処理の考え方」。
プロトコルが「相手とどうやって話すか」を決めるのに対して、
アルゴリズムは「自分の中でどう考えて動くか」を決める――そんな関係なんです。
たとえば、HTTPSのような通信プロトコルでは、データを安全にやり取りするために暗号化アルゴリズム(RSAやAESなど)が使われています。
つまり、プロトコルが“外とのやり取りのルール”を決め、アルゴリズムが“中でどう処理するか”を支えているというわけですね。
- プロトコル=通信のルール(相手とのやり取りを決める)
- アルゴリズム=処理の手順(どう考えて動くかを決める)
- プロトコルが“会話のマナー”、アルゴリズムが“考え方の道筋”
ニュースやITパスポートの問題で「HTTPS」「暗号化アルゴリズム」といった言葉が出てきたら、
「通信を決めるのがプロトコル」「中身の処理を決めるのがアルゴリズム」――
このセットでイメージできればもうバッチリです。
ITの仕組みを理解するうえで、この2つの関係はとても大切な基礎。
ここを押さえておくだけで、ネットワークやセキュリティの世界がぐっとわかりやすく見えてくるでしょう。

