「GHz」「MHz」といった周波数の言葉は耳にするけれど、実際に電波の届きやすさとどう関係するのかはわかりにくいもの。実はこの周波数の違いが、スマホのつながりやすさ(屋内・地下でも届くか)や通信速度に直結します。この記事では、電波の基本から「プラチナバンドはなぜつながりやすいのか?」までを、比喩や表を使ってやさしく整理します。ITパスポート学習の基礎固めにも役立つ内容です。
電波とは?身近な“見えない波”を理解しよう
電波は空気中を伝わる見えない波で、光や音と同じく「波の性質」を持ちます。電波には次の2つの指標があります。
- 周波数(Hz):1秒あたりの波の回数。大きいほど“細かい波”。
- 波長(m):波1つ分の長さ。周波数が低いほど“長い波”。
💡 比喩で理解: 低い周波数=ゆっくり大きく揺れる波(低音のドラム)。高い周波数=細かく素早く揺れる波(高音の笛)。
周波数が低いほど電波が届きやすい理由
周波数が低い(=波長が長い)ほど、障害物を回り込みやすいため、建物の中や山の影にも届きやすくなります。逆に、周波数が高い(=波長が短い)ほど直進性が強く、壁に弱い傾向があります。
🔗 身近な例: AMラジオ(低周波)は遠くまで届きやすい。一方、FMラジオ(高周波)は音質が良い反面、障害物に弱い。
✅ ポイント: 電波は「届きやすさ」と「速さ」を同時に高めることは難しい。遠くまで届く電波はゆっくり、速い電波は届きにくいという関係があります。
スマホがつながりやすい“プラチナバンド”とは?
日本の携帯電話では、700〜900MHz帯の周波数を「プラチナバンド」と呼びます。低い周波数帯のため、屋内・地下・郊外でも届きやすく、エリアの“つながりやすさ”に寄与します。
💡 用語の背景:
「プラチナバンド」は携帯キャリアが広めたマーケティング用語で、正式な技術用語ではありません。
「価値が高い=つながりやすい帯域」を比喩的に表現したもので、ニュースや広告で「プラチナバンド対応」「地下でもつながる」といった形で使われます。
「プラチナバンド」は携帯キャリアが広めたマーケティング用語で、正式な技術用語ではありません。
「価値が高い=つながりやすい帯域」を比喩的に表現したもので、ニュースや広告で「プラチナバンド対応」「地下でもつながる」といった形で使われます。
イメージで理解する:
- 💻 低周波は「広く照らす懐中電灯」
- 💻 高周波は「細く遠くに届くレーザー」
懐中電灯は壁の裏まで光が回り込みやすいイメージで、これが「電波が回り込む=届きやすい」状態です。
📶 Wi-Fiとの違い:
プラチナバンドは携帯電話の基地局とスマホが使う電波帯の話。
一方、Wi-Fiは2.4GHz/5GHz/6GHz帯を使う別の仕組みです。
ただし「低周波ほど届きやすい」という考え方は共通しています。
プラチナバンドは携帯電話の基地局とスマホが使う電波帯の話。
一方、Wi-Fiは2.4GHz/5GHz/6GHz帯を使う別の仕組みです。
ただし「低周波ほど届きやすい」という考え方は共通しています。
💻 4G・5G・LTEとの関係:
これらは通信方式(世代)の名称で、プラチナバンドは周波数帯の呼び名です。
たとえば4G(LTE)でも700〜900MHzを使えば「プラチナバンドでの通信」と言えます。
通信方式(4G/5G)と周波数帯(プラチナバンド)は別概念ですが、セットで動く関係です。
これらは通信方式(世代)の名称で、プラチナバンドは周波数帯の呼び名です。
たとえば4G(LTE)でも700〜900MHzを使えば「プラチナバンドでの通信」と言えます。
通信方式(4G/5G)と周波数帯(プラチナバンド)は別概念ですが、セットで動く関係です。
GHzとMHzの違いを、生活の通信例で理解する
| 単位 | 意味 | 主な用途 | 特徴(ざっくり) |
|---|---|---|---|
| MHz(メガヘルツ) | 100万回/秒 | 携帯(700〜900MHz = プラチナバンド) | 届きやすい・安定しやすい(速度は控えめ) |
| GHz(ギガヘルツ) | 10億回/秒 | Wi-Fi(2.4GHz・5GHz)、一部の5G帯 | 高速・短距離(壁に弱い) |
📈 生活のヒント: 家のWi-Fiは「2.4GHz=広く届く」「5GHz=速いが届きにくい」。スマホ回線は「700〜900MHz=つながりやすい」。
【比較表】周波数帯と“届きやすさ・速さ”の関係
| 周波数帯 | 主な用途 | 届きやすさ | 通信速度 | 代表例 |
|---|---|---|---|---|
| 700〜900MHz | 携帯(プラチナバンド) | ◎(屋内・地下に強い) | ○ | スマホのエリアカバー |
| 2.4GHz | Wi-Fi・Bluetooth | ○(比較的広範囲) | ○ | 家庭用ルーターの遠達向き |
| 5GHz | Wi-Fi | △(壁に弱い) | ◎(高速) | 動画視聴・大容量通信向き |
| 3.5GHz以上 | 一部4G/5G | ×(短距離・直進的) | ◎◎(超高速) | 高速モバイル通信 |
⚠️ 注意: 実際の体感は基地局の位置、端末のアンテナ設計、建物構造、混雑状況などにも影響されます。
ITパスポートで押さえるポイント(要点の整理)
- 周波数が低いほど回り込みやすく届きやすい(波長が長い)。
- GHz/MHzは周波数の単位で、値が大きいほど“細かい波”。
- プラチナバンド=700〜900MHz帯で、携帯がつながりやすい帯域。
- 通信方式(4G/5G/LTE)と周波数帯(プラチナバンド)は別の概念。
- Wi-Fiは2.4GHz/5GHz/6GHz帯を使い、プラチナバンドという言い方はしない。
まとめ|“周波数=電波の性格”を理解すればスッキリ
低周波は届きやすく安定、高周波は高速だが短距離。スマホの「つながりやすさ」はプラチナバンド(700〜900MHz)の性質に支えられ、Wi-Fiの使い分け(2.4GHz/5GHz)も同じ発想で説明できます。周波数=電波の“性格”と捉えると、日常の通信のナゾが整理されます。

