「ファイアウォール」という言葉を聞いたことはありませんか?
名前のイメージから「ウイルスを焼き払う壁?」と思う人もいますが、実際には外部からの不正アクセスを防ぐ仕組みです。
この記事では、ファイアウォールの基本的な役割と種類、さらに混同しやすい用語との違いを初心者向けにわかりやすく解説します。
日常の例えも交えて紹介するので、初めて学ぶ人でも安心して理解できます。
ファイアウォールとは?
🧱 名前の由来(豆知識)
「ファイアウォール」は元々、火事の延焼を防ぐ防火壁を意味する建築用語。
コンピュータの世界でも、炎(攻撃)の広がりを壁で食い止めるイメージから名付けられました。
ファイアウォール(Firewall)は、外部のネットワーク(インターネット)と内部のネットワーク(自宅や会社のLAN)との間にある「防御の壁」です。
具体的には:
- 許可された通信だけを通す
- 怪しい通信はブロックする
👉 つまり「玄関にいる警備員」のように、誰を通して誰を止めるかを判断する仕組みです。
💡 ポイント
ファイアウォールは「ウイルスを駆除するソフト」ではありません。
あくまで「怪しい通信を入れない」ことが役割です。
💻 OSにも標準搭載(豆知識)
WindowsにはWindows Defender ファイアウォール、macOSやLinuxにも同等機能が標準で入っています。
つまり多くのPCは最初から守られている状態でスタートします。
ファイアウォールの種類
パケットフィルタリング型
- 通信を細かい単位(パケット)ごとにチェックして、通すかどうかを判断。
- 住所(IPアドレス)や宛先のポート番号などで判定する。
- 例:怪しい国からのアクセスを遮断する。
アプリケーションゲートウェイ型
- アプリケーション(Web、メールなど)のレベルでチェック。
- 通信内容まで確認するので、より精密な防御が可能。
- 例:メールの添付ファイルに不審な動きがある場合に遮断する。
統合型(次世代ファイアウォール)
- パケットやアプリケーションの両方をチェックする進化版。
- 不審な動き(攻撃パターン)も検知して止められる。
🏰 多層防御の考え方(豆知識)
企業や官公庁では、外部と内部の間に複数のファイアウォールを段階配置する「多層防御」が一般的。
1つ突破されても、次の防御で食い止める設計です。
日常生活の例えで考える
- パケットフィルタリング型: 玄関で「住所や名前」を確認して入れる人を決める。
- アプリケーションゲートウェイ型: 手荷物検査のように「中身」まで確認する。
- 統合型: 住所確認+手荷物検査+怪しい行動を監視する警備員。
🏠 家庭用ルーターにも搭載(豆知識)
多くの家庭用Wi-Fiルーターにも簡易ファイアウォール機能が入っています。
そのため、外部からいきなり家庭内機器へアクセスされにくくなっています。
混同しやすい用語との違い
ウイルス対策ソフトとの違い
- ファイアウォール: 外部から「入ってくる通信」を監視・制御する。
- ウイルス対策ソフト: すでにPCに入ってしまったファイルやプログラムを検査・駆除する。
👉 ファイアウォールは「侵入を防ぐ警備員」、ウイルス対策ソフトは「侵入後に取り締まる警察官」のイメージ。
IDS/IPSとの違い
- IDS(侵入検知システム): 不審な通信を「検知」する。
- IPS(侵入防御システム): 不審な通信を「遮断」する。
- ファイアウォール: もっと基本的に「許可された通信かどうか」をチェックする。
VPNとの違い
- VPN: 通信経路そのものを暗号化して安全にする。
- ファイアウォール: 通信が許可されたものかどうかを確認する。
👉 VPNは「安全なトンネル」、ファイアウォールは「玄関の警備員」。役割が違う。
⚠️ 完全防御ではない
ファイアウォールは通す/止めるを判断する仕組みです。
正規の通信に見せかけたフィッシングや、ユーザー操作をだます攻撃まで万能に防ぐわけではありません。
アップデート・ウイルス対策・VPN・利用者の注意とあわせて総合的に守りましょう。
まとめ
- ファイアウォール=外部からの不正アクセスを防ぐ「防御の壁」。
- 種類は「パケットフィルタリング型」「アプリケーションゲートウェイ型」「統合型」。
- Webサイトを閲覧するときも、ファイアウォールは通信をチェックして安全を確保している。
- ウイルス対策ソフトやVPNとは役割が違うので混同しないことが大切。
セキュリティの第一歩として重要な仕組みなので、正しく理解しておきましょう。
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