「ChatGPT」や「画像生成AI」など、今話題のAIは“基盤モデル”という仕組みの上に成り立っています。でも「基盤モデルってそもそも何?」「AIのどの部分のこと?」と聞かれると、説明しにくいですよね。
この記事では、AIの“土台”ともいえる基盤モデルについて、高校生やITパスポート受験者でも理解できるように、図を使わずにやさしく解説します。
基盤モデルとは?ざっくり言うとAIの“土台”
「基盤モデル(Foundation Model)」とは、大量のデータを使って事前に訓練された、AIのベースとなるモデルのことです。
この「ベースモデル」をもとに、文章を作るAIや画像を描くAIなど、いろんな用途向けに“応用”されていきます。
- ChatGPT → 会話や文章作成に特化
- 画像生成AI → 絵や写真を作ることに特化
つまり、基盤モデル=AIの共通の頭脳なんですね。
「基盤モデル」は「ChatGPTそのもの」ではなく、その“もとになっているAI”。この違いを理解しておくと、ニュース記事や試験問題の理解が一気に深まります。
どうやって作られているの?(学習の仕組み)
基盤モデルは、インターネット上の膨大な文章・画像・音声などを学習して作られます。AIが何百万回も「パターン」を見て、人間のように“次にくる言葉”を予測できるようになるのです。
たとえば、
おはようございます。今日も〇〇ですね
とあったら、「〇〇」に“天気”や“気持ちのいい朝””を入れるようにAIが予測する。これがAIの基本的な動きです。
ITパスポートでは「教師あり学習」「教師なし学習」などの学習方法を押さえることが大事。基盤モデルは「自己教師あり学習」に近い考え方で、AIが自分でパターンを見つけていくのが特徴です。
ファインチューニングで用途に合わせる
基盤モデルは“土台”なので、そのままでは何でも屋。ここに特定の目的(たとえば英会話や医療)に合わせて微調整するのが「ファインチューニング」です。
イメージすると──
🎓「学校で基本を学んだあと、資格試験や専門職に向けて勉強する」みたいなもの。
ChatGPTも、開発側がこの「微調整」を行っていることで、自然な会話ができるようになっています。
ファインチューニングでは、「小さな専門データ」で再学習するのがコツ。これにより、AIが特定分野に強くなります。
他のAIとの違い(従来型AIとの比較)
| 項目 | 従来のAI | 基盤モデル |
|---|---|---|
| 学習データ | 特定分野だけ(例:顔認識用画像など) | 幅広いデータ(文章・画像・音声など) |
| 学習量 | 少ない | 圧倒的に多い |
| 応用範囲 | 限定的 | 多用途に応用できる |
| 開発コスト | 個別に必要 | “土台”を流用でき効率的 |
従来AIは「一芸に秀でた職人」、基盤モデルは「何でもできる万能タイプ」のようなものです。最近のAIはこの“ジェネラリスト”型が主流になっています。
AIの進化:「特化型AI」から「汎用型AI」へ
昔のAIは「特化型AI」と呼ばれ、1つのこと(囲碁・顔認識・天気予測など)だけを得意とするものでした。
それが今は、1つのAIがいろんな分野に応用できる“汎用型AI(基盤モデル)”へと進化しています。
- 特化型AI:顔認識だけを行うカメラのAI
- 汎用型AI:文章も画像も理解して対話できるChatGPT
この変化は、AIが「一芸の職人」から「何でもこなす万能プレイヤー」へと進化したことを意味します。
ITパスポートでも、「特化型AI」と「汎用型AI(基盤モデル)」の違いを整理しておくと◎。ニュースで出てくる“生成AI”は、すべてこの“汎用型AI”の一種です。
基盤モデルが注目される理由
- AI開発の手間が大幅に減った
- 企業や研究者が共通のモデルを使えるようになった
- 少ないデータでも高精度なAIを作れるようになった
つまり、AIの民主化(誰でも使える時代)が進んだんです。
よくある疑問 💭
Q:基盤モデルは人間のように考えてるの?
→ いいえ。実際には「大量のパターンから予測しているだけ」です。感情や意思はありません。
Q:自分で作ることはできる?
→ 個人レベルでは難しいですが、企業や大学では「小規模版の基盤モデル」を開発する例も増えています。
基盤モデル=“巨大なAIのベース”。ChatGPTや画像生成AIは、その上に作られた“応用モデル”という位置づけです。
まとめ
- 基盤モデルとは、AIの“共通の頭脳”
- 膨大なデータから学び、ファインチューニングで特化させる
- ChatGPTなどのAIは、この仕組みを応用して動いている
- 「特化型」から「汎用型」への進化が時代の流れ
- ITパスポートでも「基盤モデル=AIの土台」と覚えておくのがポイント
「AI」と聞くと難しそうに思えるけど、基盤モデルを“知識のベース”と考えればイメージしやすくなります。
「AIがどんなふうに“学んで”応用されてるのか」がわかればOKです!

